オシラサマは東北地方で信仰されている神様で、
木製の棒の先に馬や人間の顔を彫り(もしくは描き)、
布製の着物を着せたものを2体セットでまつります。
女性の守り神であり、女性が主体となってまつるという特徴があります。
オシラサマの伝承
昔々。農家の娘が飼っている馬に恋をし、ついに夫婦となってしまいました。
それを知った娘の父親はかんかんに怒り、馬を殺して庭の木に逆さづりにしてしまいます。
娘は悲嘆にくれて、馬の亡骸にすがりついて泣きました。
それを見た父親はさらに大激怒!馬の首をはねてしまいました。
すると馬の首は娘を乗せて空に昇っていき、オシラサマになりました。
お父さんの激怒っぷりがすごいですが、親心を思うと分かるような気もします。。
それにしても絵面を想像するとなかなかすごいことになっていますね;
そして、馬に恋をする娘。
どんなヘンタi・・とはじめ思いましたが
そこには遠野の人と馬の密接な関係が背景としてあります。
かつて遠野の人たちは、曲り家とよばれる建物で暮らしていました。
住宅と厩が一つながりになった住居です。
馬は生活に欠かせない存在だったからこそ
オシラサマの伝承が生まれたのでしょう。
そういえば私も、飼い猫さえいれば後は何もいらないと思ったことがあります。
オシラ堂
遠野伝承園にはオシラ堂というお堂があり、1000体のオシラサマが展示されています。
見学するだけでなく、願いを書いた布をオシラサマにかけることができます。
6帖ばかりの部屋の天井近くまで安置されているオシラサマは壮観です。
このようなブログを書いているのになんですが、霊感ゼロな私。
しかしこの部屋にいる時に感じた威圧感はすごかったです。
書かれている願い事は幸せを願うものばかりで
決して人を呪うものではないのですが
情念の力とでもいいましょうか・・・
長くここにいたら参ってしまう気がして、
お参りをして何枚か写真を撮らせていただき
そそくさと部屋を後にしたのでした。
遠野にいかれる際は、ぜひ伝承園に立ち寄ってみてください。
オシラ堂の他にも貴重な建物が見られますし
ちびっ子たちには永年有効のカッパ捕獲許可証がもらえるようです!
(大人は1年更新です)
隣接した食堂の「ひっつみ」(遠野の郷土食)めちゃくちゃおいしかったのでこちらもぜひ!
ひっつみまた食べたいな 関東でも食べられないかなー・・